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2012年8月

2012年8月29日 (水)

八月のインタビューより・・・②

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「4人の男の物語、こんなに楽しい撮影がまたできますかね?」
「紳士の品格」には、ラブストーリーの他に男たちの深い友情の物語があった。キム・ドジン(チャン・ドンゴン)、イム・テサン(キム・スロ)、チェ・ユン(キム・ミンジョン)、イ・ジョンロク(イ・ジョンヒョク)の4人の友情は深い感動を与えた。40代の男たちの友情が、これほど感動を与えられるなど誰が予想しただろうか。

「このドラマは、4人の男の物語というところが良かったです。4人の俳優たちとは実際に親しかったので、一緒に撮影する時は本当に遊んでいるようでした。私たちも最初は台本どおりに演技をしていましたが、キム・ウンスク脚本家が、プロローグだけはアドリブを使いたいとおっしゃいました。撮影が続くと、状況さえ知っていれば10~20分の撮影ができるくらい、それぞれが自分のキャラクターに確信を持つようになりました。こんなに楽しい撮影が今後またできるのかなと思いますね」

彼の言うとおり、4人の友情が最も鮮明だったのは「紳士の品格」のプロローグだ。これは独特な形式であり、インパクトのある始まりとして話題になった。なにしろ、ドラマの名場面が多かったため、チャン・ドンゴンも最も記憶に残るシーンをプロローグと答えることに困っていた。

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「女性たちがよく知らない男性心理が見えるプロローグが一番楽しかったです。合コンするシーンも良かったですね。舌を短くして台詞を言うシーンは、台本を読む時から笑っちゃいましたね。“おいちい”はアドリブです。そのシーンは、1人で練習をしても笑いすぎて先に進めなくなったくらいです。撮影が始まる前は本当に心配していましたね」

チャン・ドンゴン、キム・スロ、キム・ミンジョン、イ・ジョンヒョクの4人は、ドラマだけではなく、実生活でも親しい間柄である。その友情は、ドラマを通じてより深まった。

「当然ですが、ドラマが終わってからも毎日のように連絡しています。もちろん、前から仲は良かったですが、ドラマの前はわざわざ連絡して会ったりはしていませんでした。4ヶ月間、ほとんど毎日会って役になりきっていたら、ものすごく仲良くなりました。この前、それぞれ違うスケジュールでアメリカに行くことがあったんですが、わざわざ時間を合わせて会うほどでした」

野球は「紳士の品格」でのもう一つの見どころだった。4人は野球を通じて友情を深め、愛を語った。実際に、チャン・ドンゴンは芸能人野球団のプレイボーイズに所属している。しかし、ドラマのキム・ドジンは野球ができない役だった。

「野球ができない役がむしろ楽で良かったです。野球が上手い役だと、現場ではいつも上手い人のように見せなきゃダメですし、プレッシャーにもなりますので。むしろキム・ミンジョンが、野球ができる役だったので大変だったと思います。元々野球をやっていたわけではないので、努力したと思います。野球の練習で肩を悪くしたと聞きました。でも、野球場に行くといつも楽しいです」

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「“ということで”はスタッフや俳優たちもみんな真似してました」
キム・ウンスク脚本家の台詞は、直接的でリアルだ。ファンタジーの要素が加わって不思議な部分があっても共感を得た。前作「シークレット・ガーデン」(SBS)で、大ヒットした流行語を作り上げたキム脚本家は、ついにチャン・ドンゴンの“ということで”でトレンドの先頭に立った。

「第12話を撮影する頃からは、スタッフや他の俳優たちもみんな真似し始めました。私も口癖になって実生活でも使っていましたね。特に、俳優たちとメールするときは“ということで”で締めました。視聴者の方々が、ドラマのすべての台詞に共感することはできないと思いますが、40代の男性だけが感じる台詞はたくさんの方々が共感できたのではないかと思います。年をとっても、いつも少年のようで、子供のように分別がないこともあると思います。そういうところが、男の特性ではないでしょうか」

今回のドラマを通じて自身の目標を成し遂げ、多くのことを学んだチャン・ドンゴンだが、スタートは順調ではなかった。徹底したプロ意識を持つチャン・ドンゴンにとって「紳士の品格」は、完璧なコンディションで挑めなかった悔しさが残る作品だった。

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「ドラマの撮影を始めた時期は、実は心身ともに疲れていた時期でした。それもそのはずで、2年ほど、映画『マイウェイ 12,000キロの真実』の撮影をして過ごし、映画『危険な関係』の撮影のために、ドラマが始まる前は中国にいました。なので、コンディションの良い状態で始めることができなかったんです。それにドラマは2、3日ぐらい徹夜することも多いですし。心身ともに大変で、あえてたくさん食べるようにしていましたけど、結構痩せましたね。ドラマが終わったらすぐに3Kg太りました」

「言葉を覚えた息子が本当に不思議です」
嵐のように過ぎ去ったドラマ「紳士の品格」は、チャン・ドンゴンにイメージチェンジの機会を与えただけではなかった。視聴率と話題性の両方を手に入れたこの作品は毎週新しい話題を呼び、チャン・ドンゴンはさらに親しみを持ってファンと近づくことができた。

「『よかった』とドラマを好きになってくださる方が多いです。一部では、私がそこまでする必要があるのかと言う方もいますが、私はこのドラマを通じてしようとしていたことをすべて叶えました。何かを得るためには何かひとつを捨てなければならないように、私自身が身軽になった気分です。特にファンの方々は、以前は私にサインを頼みにくかったようですが、今はとても積極的に近づいてきてくれます。そんな反応がとても嬉しいです」

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ドラマで、コリン(CNBLUE イ・ジョンヒョン)の父親役だったチャン・ドンゴンは、実生活でも一人の子供の父親だ。彼にとって家庭は、チャン・ドンゴンがチャン・ドンゴンでいられる理由だった。息子について話すチャン・ドンゴンの表情には、自然と笑顔が溢れていた。

「子供が大きくなってきて、最近言葉を話し始めました。もう一方的ではなく、お互いに分かり合えることがとても不思議でした。私の言葉に反応し、意思を通わせるということがとても楽しいです。家庭では、家長として適応できずに私を捨てなければならない部分もありますが、それは男として完成するプロセスのような気がします。子供が大きくなるにつれ、そういうことを感じます。私がテレビに出ていると、子供は私がわかります。もしかしたら息子は、すべての人がテレビに出ていると思っているかもしれません(笑) 」

彼は子供について話している間、ドラマでのコミカルな演技が子供と一緒にいるときに出ている気がすると言い、笑いをこらえきれずにいた。

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「ドラマのような可愛い様子は、子供と遊んでいるときによくなります。40年間生きてきて、一度もしたことがないような表情を子供と一緒にいるときにするようになりました。そういうことを通じて、自然にトレーニングができたような気がします」
「スパイ物を本当にやってみたいです」
チャン・ドンゴンは次回作に対する質問に、俳優歴20年の経験が窺える答えを返した。その瞬間、笑いながらキム・ドジンの話をしていた彼から、俳優チャン・ドンゴンのカリスマ性を感じた。

「俳優が次の作品を選ぶとき、やりたいことがあって自然に決まるときと、意図的に決める場合があるんですが、前者が最も良い結果を得られる選択です。やりたい作品がないときはスランプの時期で、俳優として一番辛いことです。リフレッシュは、私の中にやりたいという欲望を探す過程です」

しばらく真剣だった彼は、ドラマで学んだトークセンスを見せ、楽しそうだった。

「以前からスパイ物をやってみたかったんです。ラブコメディは今回のドラマが最後になりそうです(笑) 」

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息子の話にチャン•ドンゴンの口元からは笑みが消えることが無かった。 "写真を見てもわかるし、TVに出てもパパをちゃんと見分ける。多分息子は、すべての人がTVに出てくると考えてることが判明しました(笑)。ところで息子はダニエル•ヘニーが好きです。写真見てそう言いますね(笑)。 "

息子の成長に不思議に思って、ダニエル•ヘニーの好きな子にこっそり嫉妬もする可愛さは以前のチャン•ドンゴンの姿からは想像もできないものである。 チャン•ドンゴンの余裕が、笑う時こっそり見られる目元のしわが、家族の話に消えることのない笑顔の見栄えが良い。 チャン•ドンゴンは、確かに軽くなった。 肩の荷物も、風雅であるべきという強迫観念もすべて下ろして。 "今はおじさんになった"と自らを下に置く発言も躊躇しない率直な今のチャン•ドンゴンは素敵な紳士だ。

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“放送中のある時ヒョンビンが休暇で出てきました。 ヒョンビンが‘軍隊内務班でチャネルを固定させておきました。’と言いました。 軍隊でおもしろく見ていると応援してくれました。 一度はヒョンビンが部隊から電話をしてきて尋ねましたよ。 コリンは本当に息子ですかって。 内務班で本当に気になって心配だから聞いてみてくれと言ったそうですね。 それで直接ドラマを見て確認してくれと答えました。(笑)”

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2012年8月28日 (火)

八月のインタビューより・・・①

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だいぶ日が暮れるのも早くなって、八月ももう終わりですが、まだまだ毎日暑いですね。皆様ここへきて暑さ疲れが出ていないでしょうか。(ワタクシはすっかり暑さに疲れてうんざりしながら仕事に出かけております。)

オリンピックの放送のために最終二話を残して放送が延期になって結末やいかにとじりじりだった「紳士の品格」もロンドンオリンピックとともにハッピーエンドでめでたく終了、12年ぶりのドラマ出演で結果を出せたこと、ドンゴンさんもどれだけ嬉しく安堵しただろうとネット鑑賞とニュースで見守るしかなかったいち日本のファンもホッと致しました。

俳優人生の第二幕が始まった・・・そんな一連の思いを語った各媒体とのインタビューは余裕とウイットに満ちて、いつものことですが、ずぼらなブログ主が途方に暮れるような勢いですんごい数の記事が出ました。思わず遠い目になりました。

もうあちこちに日本語の記事も出たので今更どうしようかと思いましたが、記録のため(??)以下すこしだけ載せておきます。

写真のほうは、miyukiの独断と偏見でピックアップしておりますのであしからず、です。

「愛想なしの毒舌紳士キム・ドジン」を演じていた時は痩せすぎてコケた頬で唇の端っこを不機嫌そうに下げた顔の印象がつい強かったですが、終わったら3㎏増えた、と語る通り、ファンミなどで私たちが良く見ていた「ぽよよ~~ん」とした表情と、健康的なほっぺが戻っていましたよね。^^

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※このジャケットの袖裏、右と左の色が違うんですネ。こうして見せるため?

チャン・ドンゴン(40)は自他ともに認める、韓国一のハンサムと呼ばれる俳優だ。1992年、MBC21期の公開採用タレントとしてデビューした彼は、今まで20年以上の間、カリスマ性と重みのある役を演じ、トップスターの座を守ってきた。

そんなチャン・ドンゴンが壊れた。彼は12日に最終回を迎えたSBS週末ドラマ「紳士の品格」(脚本:キム・ウンスク、演出:シン・ウチョル)で、毒舌だが、愛する女性のためにすべてを注ぐキム・ドジンを熱演した。ドラマは放送前から、12年ぶりにテレビドラマに復帰したチャン・ドンゴンで注目され、放送終了後は今までのイメージを捨て、コミカルな演技を披露した彼のおかげで笑うことができた。

「12年ぶりのドラマの復帰、最初はぎこちなかったです」
最近、ソウル明洞(ミョンドン)にあるo'sulloc(オソルロク)ティーハウスで会ったチャン・ドンゴンは、ドラマの余韻がまだ残っている様子だった。彼は終始明るい表情でジョークを言うなど、楽しげな姿を見せた。完全にドラマに溶け込んでいたチャン・ドンゴンだったが、久しぶりに戻ってきたドラマの現場だったため、最初は難しいところもあった。

「撮影現場が最初は気まずくて、慣れるまで時間がかかりました。もちろん、ドラマでデビューしたので、経験がないことはなかったですが、ずっと映画をやっていて、12年ぶりにドラマに戻ってきたということを自分自身が意識していたと思います。特に第1、2話を撮影しているときがそうでした。撮影現場は全部一緒だろうと思っていましたが、違いましたね」

「コミカルな演技はすればするほど、欲が出ました」
チャン・ドンゴンが「紳士の品格」で見せてくれた様々な姿の中、最も印象的だったのはコミカルな演技である。ドラマの序盤で“天下のチャン・ドンゴンが壊れることができるのか”という懸念は杞憂だったことがわかった。

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※撮影に気付いた人々が下に集まって、お手振りのドンゴンさん。すごいな~~ドラマの人気って、改めて。

「初めてドラマのあらすじをもらった時は、コミカルなところは実際、今のようには行かないと思っていました。最初は試行錯誤しましたが、第1話と第2話を撮影しながら、『もっとやらなくちゃ』と思いました(笑) 特に、男たちばかりのシーンではもっと欲が出ました。また、実際にそういう思いで演じたら、視聴者の方々はもっと面白く感じると思ってさらに頑張りました」

自分の愛するソ・イス(キム・ハヌル)の可愛い姿、愛嬌のある姿を見るたびに、キム・ドジンは意味深長な笑顔と、意味の分からない表情をする。その表情があまりに面白く、現場にいたスタッフたちは撮影ができなくなったという。

「ドラマを見ればすぐ分かると思いますが、コミカルなところがどんどん多くなりました。その理由は、撮影現場で自然に演じられたためだと思います。小さなところから、次第にキム・ドジンになっていき、後は自然な姿で演じることができました。コメディは難しいところも多いですけど、それなりの快感があります。まず、演じる時に楽しくなりますからね」

格好良く、いつも真剣な姿だけを見せてくれると思ってしまうチャン・ドンゴン。彼の言うとおり、ドラマでキム・ドジンになっていく中で、コミカルな演技に対して難しさではなく、欲が出るほどの楽しさを感じた。彼もやはりキム・ドジンとして生きながら新しい何かを学ぶことができた。

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※こんなふうに上目づかいでふわわんと笑っているのが、好きです。

「キム・ドジンと私は人に見える性格は結構違います。ですが、友達といるときのいたずら好きな姿は、実際の私にもあるところです。何より女性に対しての行動などは、わからないことが多かったです。私が普段できないこと、私にはない姿を今回のドラマを撮影しながら知ることになりました。特に、女性が好きな男性像と、自分が求める男性像については勉強になりましたね。私もこれから実践しなければ(笑) 」

「女性たちは、なぜバックハグに執着するのでしょうか」
「紳士の品格」は、チャン・ドンゴンとキム・ハヌルを中心に、キム・スロとユン・セア、キム・ミンジョンとユン・ジニ、イ・ジョンヒョクとキム・ジョンナンがそれぞれの個性を見せ、視聴者から支持を受けた。特に、チャン・ドンゴンとキム・ハヌルのカップルは、片時も目を離せない魅力があった。

「ハヌルさんの場合、前作でも共演したことがなく、今回初めて共演することになりました。特に、桜のキスシーンはドラマの撮影に入ってすぐだったので、ハヌルさんが気まずく思っていたかもしれません。そして、私が初めてコミカルな演技をしたら、彼女が(その姿を)とても喜んでくれました。『たったこれだけのことで』と思いながらも『私はそんなに堅くて重い雰囲気だったのか』とも思いました。それからは、今までの自分は置いておきながら気楽に演じました」

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※バルマン・オムのジーンズにブーツはルブタン・・・かな?3㎏増えてもまだ「マッチ棒」状態、細いですよね~~

ドラマでの二人の共演に最も嫉妬したのは、チャン・ドンゴンの妻コ・ソヨンであるはずだ。彼女は実際に、SBS「ヒーリングキャンプ-嬉しくないのか」に出演し、「キム・ウンスク脚本家の作品はスキンシップが濃厚」と心配した。特に、彼女はドラマでのチャン・ドンゴンカップルのバックハグについて「私もまだやってない」と寂しさを語った。

「私もその放送(「ヒーリングキャンプ」)を見ました。なぜ女性たちはバックハグに執着するのでしょうね(笑) そういうことも、ドラマで分かったことです。普段、自分なりにはよく表現していると思っていますが、ドラマのキム・ドジンみたいにはできませんね。実際、ドジンのようにたくさん愛情表現をして、まっすぐなキャラクターは多くはないですね。私も演じながら、鳥肌が立つようで大変なところも多かったですが、女性が望んでいる姿がこういうものなんだと思ってからは楽に演じることができました」

(②に続く)

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2012年8月 7日 (火)

『マイウェイ』残っている呟き・徒然に・・・

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改めて言うまでも無いけれど、チャン・ドンゴンという俳優は役の上で死ぬことが多い人だった。

刃物のような人生を短く激烈に送った釜山のやくざ、ドンスさん(チング)は土砂降りの雨の中、街角の電信柱に凭れ絶命。弟を家に返すことだけに一途に燃えたジンテ兄さん(ブラザーフッド)は、人知れずお骨となって、発掘されるまでひっそりと弟が迎えに来るのを待った。もと脱北者の海賊シンさん(タイフーン)は、国の事情を背負った海軍出身のセジョンさんが、互いに関わるうちに心の底では深く同情するも如何ともならず「生きて話せ」と説得する声を振り切るように自ら命を絶ってしまった。

そんな壮絶な死を背負った役が続き、とうとう「次は、もう死ぬ役は(見るのが辛いから)やめてほしい」とご家族に言われたこともあったやに聞いている。

どの主人公も一人で死んで行った。「タイフーン」ではセジョンさんが傍らにいたけれど、シンさんの選んだ最期のやりきれなさは色んな背景を背負って辛く重く、思い出せば胸がシクシク痛むのである。

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※写真はアメリカ公開時の公式サイトより

そしてジュンシク。

彼も長い道のりを苦労に苦労を重ねた挙句、アスリートとしての夢を叶えることは出来ず、故郷の家族にも二度と会えず、異郷の戦場で命を落とす。一人ひとりの生きた証など残すすべもない非情の戦場・・・それでもその最期がやっとわかり合えた友辰雄の腕にしかと抱かれていたことが、ほかの主人公たちと違っていて、死は切ないことだが何故かほの温かい思いと安堵が残るのだ。それは私だけだろうか・・・・

せっかくわかり合えたのにそこでなんで片方が死ぬかな、ってところは非常に韓国的な展開だよな、とも思わないでもない。

「マイウェイ」も「タイフーン」の時と同じで、撮るのに莫大な予算が掛ったから当然のこと「損益分岐点」というものが非常に高いところにあったということもあるのだが、最初から当たり前のように結果を求められるそのプレッシャーたるや。いや大変な世界だなあ。(ほかにもあったかも知れないのだが、)本国より日本でのほうがDVD発売が早かった作品というのも殆ど無いのではなかろうか。観客側には計り知れないいろんな事情もありやナシや・・・。

折しもロンドンで開催される三度目のオリンピックは中盤戦。ノルマンディから生還した辰雄がキム・ジュンシクとして走ったシーンは思えば夢なのか幻なのか・・・それは大韓民国として初めての参加であった第二次大戦後初のオリンピック1948年ロンドン大会。女子マラソンの皆さんが今回走っていた街の中の難コース、建物の間の広くない石畳の道に、つい「マイウェイ」冒頭の良く似た街並みを走るジュンシク=辰雄の後ろ姿をカメラが追う場面を思い出した。

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DVDでの鑑賞で新たな「涙のツボ」だったのが、(ベタでちょっと恥ずかしいのだが)大ラスの競技場で、走るジュンシクの幻と、ジュンシクのモノローグが辰雄の姿と立ち替わり重なる場面。世間の評価など私にとっては結局いつも殆ど関係ない話で、つくづくその人にとってのツボをちゃんと押してもらえることがイチバンなんだよな、と思う次第である。

ジュンシク臨終場面での辰雄の慟哭・号泣を映画館で鑑賞していた時は毎回「待って、待って~~」みたいな何とも言えない気分に陥ったものだった。あれはどう説明するのが正しいのやら。自分、辰雄の号泣をもっと見ていたかったってことなのかすら。(大汗。)そう、強いて言うなら極限状態の辰雄の動揺というか、気持ちの振幅の大きさにシンクロしちゃってたのかも。

まったく、オダギリさんはほんとうに罪な顔、罪な演技をなさる。ご自分でも「微妙な表情は得意」と仰ってるんだそうだが。監督も、ジュンシクと再会した海辺のシーンを撮りながら「私は冷静なほうだが、今日は妙な気分になりました。」と言っていたし。(笑)

ラトビアのリガの旧市街で撮影された「日本大使館(フランスの?)にジュンシクの行方を尋ねに訪れるドイツ軍人姿の辰雄」というのがオダギリさんのクランクアップだったようだが、残念ながらそのシーンは本編ではカットされてしまった。

世界遺産でもあるリガの旧市街の街角に淋しげに佇む辰雄・・・これってすごく色んな妄想を喚起するんだが、まあそういう意味ではカットになってしまったのも仕方なしか。(勿体無い。)
辰雄、帝国軍人姿よりドイツ軍人の軍服のほうがなんぼか似合ってたなあ。(クランクアップの時ソン・インギュPDに抱擁されるわ抱きあげられて振り回されるわ、ちっすされるわ、オダギリさんの細さが際立つ現場のアイドルぶりでした。笑。)

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◆この人・・・其の①

「マイウェイ」に於けるノモンハンの関東軍のシーンはどこがどうとはうまく説明出来ないのだが、昭和の戦争映画を見て育った世代にはなんとなく違和感があった。オダギリくんがスタイル良すぎとか顔が小さすぎとかそういうことでは括れない時代の色みたいな・・・??
実際衣装の考証上の間違いなどもけっこうあったようで、オダギリさんが「これはどうやっても違うから着用出来ない。」と申し出たこともあったらしい。(長谷川大佐の軍帽)

ノルマンディーの東方部隊集結シーンで唾飛ばしてアツく演説していた、クラウス・キンスキーみたいなナチスの将校も非常にそれらしい感じだったけれど、然る年代のヨーロッパの人が見たらやはりどこかちょっとヘン(軍服の着こなしとか髪型とか)、ということはあっただろうか。何しろ当のドイツではナチスは禁忌、昔の名作映画で見たドイツの軍人さんなどもじっさいイタリア人やアメリカ人、色んな国の人が演じていたわけで。
そういう国籍を超えた配役ですごいなあ、と思う代表がエジプト人のオマー・シャリフ氏が演じた「ドクトル・ジバゴ」。医師ユーリー・ジバゴ、ロシア人だし。(ちなみに、デビッド・リーン監督の「ドクトル・ジバゴ」は若かりしカン・ジェギュ監督に多大なる影響を与えた作品とのこと。)

「マイウェイ」でもたくさんの韓国の俳優さんが日本軍の軍服を着ていた。中でも「ああ、この人いかにも昔の日本映画に出てきた薄情な日本兵っぽい感じで良いなあ・・・。(失礼)」と思って見ていたこの人・・・(↑の写真参照)

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切腹した高倉大佐の隣にいたり、新任の長谷川大佐に襟元掴まれたり、シュエライを拷問していたり。(そして、トラックで戦車に突っ込んで壮絶に戦死。)実はこの「日本兵・山田」キム・イヌさんといって、マイウェイではドンゴンさんの日本語コーチでもあったのだが、ずっと見逃していて最近C様(ありがとうございました。)のおかげで見られたM-net放送のドキュメンタリーでドンゴンさんの隣にお姿を発見するまで「グッドモーニング・プレジデント」のあの在韓日本大使と同じ俳優さんだったとは不覚にも気がつかなかった次第。(大使の時より痩せて若返ってたような。この方の年齢は今のところ不明なんですが、実はもしや業界では有名なお方なのでは。汗。)

キム・イヌさんは高橋伴明監督の「道~白磁の人」でも朝鮮総督府の加藤氏を演じておられ非常に印象的だった。

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◆この人・・・其の②

彼は辰雄の少年時代を演じた俳優さんで、「小林ユウキチ」さんとおっしゃるそうな。ト・ジハンくんとともに出演は短いけれどとっても熱演だった。1988年東京生まれ、スクリーンデビューは「アルゼンチン・ババア」フィルモグラフィを見ると「軽蔑」「ヒミズ」などなかなかにシブい作品が並んでいる。

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ちなみに、子役の辰雄のほうはソン・ユビンくんというそうで、2000年生まれ。映画「ワンドゥギ」ではユ・アインくんの子供時代も演じている。

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