『マイウェイ』感想を呟く・・・①
※「Happy Together」は全てのレビューにおいてネタバレに配慮しておりません。作品を未見の方で、内容を知りたくない方は充分にご注意下さいますようお願い申し上げます。(管理人)
「徹子の部屋」で、徹子さんが「マイウェイ」を紹介する時にノルマンディの海岸のジュンシクと辰雄のシーンで少しの間絶句して涙を堪えていらっしゃったように見えた。徹子さんの世代ならば、戦争について重い実感を伴ってもおられることだろうし、録画したのを見ながら私もちょっとじ~んと来てしまった。
カン・ジェギュ監督はこういうふうに言っている。
「この映画で描きたかったのは、日本と韓国の若者の物語を軸にした人と人との疎通、人間愛です。どうすれば、韓国と日本ということを超えて、全世界の人々がお互いに疎通し合い、お互いのことを考え理解し、感じ合うことができるんだろうかと。そうした本質的な問題が克服されれば、人間はより美しく生きることができ、戦争も無くなり、平和な世の中になるのではないかという、日頃の私の考えを込めて表現したいという思いで作った映画なんです。」
私自身はチャン・ドンゴンという俳優のファンであるから、彼の出ている場面を見るということにかけては漏れのないように努力する。そういう意味で、最初からちょっと贔屓目(そうならないようにもしているつもりなのだが)が入っていて冷静ではないかもしれないが、もしこれからという人がいらしたら、個人的にはとにかく「辰雄とジュンシク」中心にご覧なさいませ、とおススメしたい。ジェギュ監督の言う人と人との疎通、人間愛をあの凄まじい戦闘シーンに負けずに受け取るためには。
「個人的に以前からオダギリジョーさんという俳優がすごく好きで、日本を代表する最高の俳優だと思っていました。同時に、チャン・ドンゴンは韓国最高の俳優です。お二人が、ジュンシクと辰雄をいう役をほんとに見事に消化して演じきってくれたので、200%の仕上がりになったと思っています」
「ほんとに様々な美しいショットをこの映画で描くことができたと思っています。なので、監督として映画を撮りながらゾクゾクするような興奮にみまわれました。それはこれまで映画を撮りながら感じたことがないとても特別な感情でしたし、このように素敵な日本と韓国を代表する二人の俳優さんが全力を投じて渾身の演技を見せてくれたことを心から嬉しく思っていますし、ほんとに監督として感動しました。」
この監督さんの言葉も興味深い。年末年始「マイウェイ」の日本でのプロモのドンゴンさんとオダギリさんの様子を見ながら私が感じたあえかな気配のようなモノは以下のようなカンジ。
CJジャパンの頑張りもあってか、日本での舞台挨拶やテレビ、媒体などのインタビューも結構な数に上り、韓国でのプロモから引き続き至極真面目にプロモに参加するオダギリさんの姿勢もあってか、監督とドンゴンさんからは更に一歩踏み込んだ信頼感とも安心感ともとれる気配が漂っていた。(私は行けなかったが佐野史郎さん、鶴見辰吾さん、夏八木勲さんも参加されたという初日舞台挨拶、うらやましい・・・)
安心しきってオダギリさんに「連れられ」、本国ではありえないバラエティに出ているドンゴンさんの超自然体(笑)、インタビューでは妙にらぶらぶ(笑)。韓国の同僚俳優たちといる時とは明らかに違うが、遠慮しているとかそんな風でもない。オダギリさんは実際にはドンゴンさんより4つ年下だが、なんというかいつもの「ヒョン」な感じではないのだ。どういうこっちゃ。
だが、通訳のいないときには互いに英語で会話していたらしい二人の間には、「互いの心を感じる」ことは出来るが言葉の壁は厳然としてある「じりじり」愛(すみません、miyukiの独断と偏見ですから。汗。)それが今般のあの雰囲気だったような気がしてならない。それは「対等に咲き誇る」ような幾つもの美しいショットとして有り難く披露されたのだった。(ごちそうさまです。)
「オダギリ節」が通じないこともたまにはあるようだが、明確な自分のビジョンと思いを独特の間と知性を以て言葉にするオダギリさんがプロモのみならずこの映画に果たしたことは多いと思われる。最後にこんなネタがまだあったか(爆)と思ったのが、「ソ連の収容所で二人で吊るされる場面、監督がふんどし一丁でお願いしたいと無茶振ってきた。」というもの。バルト9での初日挨拶で披露され、「これをやったら日本人皆に笑われますから。それにドンゴン氏的にもまずいだろうと思い、僕が強くお断りしました。」ええ、それは正解でした、オダギリさん。(笑)
もしあの酷寒の中でほんとにそんなシーンを撮ったら命に関わると思うし、映画の中にあったように達磨ストーブのそばに寝かせてさするどころじゃないかも??だし、ふんどし姿の二人を見た時点で観客の集中力は思い切り削がれたに違いない。よかったねえ、ドンゴンさん。(しかし、その話をしたらなんと、いっしょに映画を見たうちの妹は、オダギリくんは案外イケてたかも・・・と言うのであった。うむ、私も実はちょっとそう思った。ごめんね、ドンゴンさん。^^;)
この映画には、日本と韓国がいつも敏感にならざるを得ない時代のことが描かれており、それは公開後予想通りの反応も呼んだ。韓国映画やドラマが好きで興味を持っていろいろ見て来た人ならば、ある時点で感じざるを得なかった韓国側の日本への微妙な気持ちと、どうすることもできない壁のようなもの・・・。オダギリさんも触れていたが、それは未だ日本人にとって想像以上の厳しさである。その敏感さは日本人にとっても、(よくわかってはいても)時に苛立ちを生む。好きだから、知れば知るほど、やるせない。あからさまにそれとわかることに出くわすと、なんというか背中がすうっと冷えていくような気持ちがする。
私自身としてはそういうのをなるべく取り払って、その作品が言いたいことは何処にあるのかを見たいと思っているわけだが、人によってはそういう態度は「お人良し」にしか見えないかもしれない。
そんな考えが、最初に見たとあと不覚にも小賢しくもぐるぐる廻ってしまったのが、辰雄がジュンシクの名を背負ってオリンピックで走るというあのラストだった。それで辰雄の人生はええのんか?監督、他に何かメッセージ込めてます?
・・・見る人の立場によって感じることが違うだろう、とドンゴンさんが会見で言っていたが、あのシーンを見たとき、つい穿っていろいろ考えてしまった自分がいたことを告白する。
・・・で、私は二回目からそれを振り払って没入することにした。
バルト9の初日挨拶で、辰雄の平和主義者のお父さんを演じた佐野史郎さんがこう言ったそうだ。
「この映画は、ファンタジーだと思った。実際に起こったことを描く戦争映画だけれど、相手の立場に立って物を見る、国を超えて大事なことを教えてくれるファンタジーのように思いました。」と。
私もまったくの同感である。
※ある試写会でカメオ・会場スタッフになりチラシ配りをしてくれた可愛い二コルちゃんと監督。ニコルちゃんがつけてるドイツ軍の認識票のレプリカ、私も欲しいぞう~~^^









































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